我が家のロンは唐突に魔のモードに入ります。魔のモード、それは…
プイッ(ご飯いらない)
いつものご飯なのに、何一つ変えていないのに、「急にご飯を断固拒否する断食モード」です。水は飲む、けれども一度拒否したご飯は明日になろうと3日後になろうと食べない心底厄介なモード。
今回はそんな魔のモードについて書きました。お困りの皆さまの手がかりとなるものがありますように!
魔のモード襲来!
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- ロンの食に対する傾向
- これくらい少食です
- 魔のモードver.ロン
- 一般的に食べなくなる原因
- 断食は何日まで平気?
似てる?
ロンの食に対する傾向
ロンは11才頃から魔のモードに突入する頻度が上がりました。それまで長いスパンで同じ物を食べ続けられていたのに。腎臓数値が悪くなっているせいかと思いきや、診察結果が至って健康(数値が正常)という場合もあります。どうやら一概に腎臓のせいだとも言えない様子…。ならば一体何を機に始まるのか。
もしかして素質!?
ロンには元から魔のモードを引き起こす素質を持っていたのかもしれません。そうなると『食べなくなる子は同じような傾向の子』という可能性も…。ということで、ロンの食に対する傾向を書いてみました。あなたのワンちゃんに当てはまる物はありますか?
- 小さい頃から食が細い
- 何かと匂いは嗅ぐけど食べはしない
- 人間の食べ物はあまり欲しがらない
- 犬用オヤツすら食べる物が限定的
- あまり空腹アピールをしたことがない
- 薬に気付いたら舌で器用に出す
- 野菜全般が嫌い
どうでしょう。一番最後のものは関係ない気がしなくもないですが、「同じ同じ!」という点はありましたか?もしそうなら、魔のモードを発動するワンちゃんには共通点があるのかもしれません。
「食が細い」と言ってもワンちゃんによって様々。
しかし我が家のロンの場合、そう感じるようになったのはマロがいなくなった頃からです。マロがいた当時はマロの分も横取りするようなワンコで、そこまで少食なイメージを持っていませんでした。
じゃあマロがいなくなって傷心=少食なのよ!
…と思うかもしれませんが、そこは違います。むしろマロがいなくなってロンはノビノビ。不思議なことに体格も大きくなりました(体重に目立った変動なし)。おそらく私達が病気のマロにかかりっきりだったので、自分だけを見てくれるようになって喜んだ結果。なんだか複雑な気持ちですが、3匹目を考えていないので相棒ロスになるよりは良かったと思っています。
そんなロンの1日の食事量はこんな感じでした。
上下で1日分ではなく、上段だけで1日分、下段だけでも1日分です。フードを変えた際に『ちゅーる』を増減していました。
後にザッと計算したところ、予想通りのカロリー不足。しかしタンパク質や脂質はギリギリ…本当にギリギリ足りていたようです。ちなみにこの量でも体重は4.2kg前後を維持していたので、「これくらいの食事量で過ごせる子なんだろう」と思っていたのです。…が。
魔のモード襲来!
辛うじて取れていた栄養すら取らなくなり、私の焦りは倍々モードに。おやつは食べてもフードを食べてくれないので、「何か早く体を作る健康な物を食べてもらわなくちゃ!」と必死になります…。
どの程度?
魔のモードver.ロン
シニアで目覚める運命だったかもしれない、恐ろしき魔のモード。そんなロンの魔のモードをもう少し具体的に書いてみます。
- 食べ続けてきたご飯を前触れなく食べなくなる
- 毎回匂いは嗅ぎに来るのに食べない
- しつこく食べるよう勧めると震えだす
- 好きなオヤツだけは食べる
- 昨日食べたご飯を今日食べるとは限らない
- 用は終わったとばかりに水だけ飲んで寝る
- 食べたくない物は何日経っても食べない
- なのに空腹そうな雰囲気をあまり感じない
ここで注目したいのは、『空腹そうな雰囲気をあまり感じない』という部分です。とにかく元から少食なせいか、極端に「お腹減った」という感覚が薄いように感じます。食に興味がないというべきでしょうか。なのでロンは胆汁(黄色い汁)を吐こうとも、平然と断食を続けるのです。そしてどんどんガリガリに…。もし意地だけでここまでしているなら相当なガンコ者。もはや褒めてやろう!
…などと言えているうちは良いのですが、ご飯を出しいる側も精神的に疲弊していきます。何を食べたいか話してくれれば、どんな物でも用意してあげられるんですけどね…。
聞き耳頭巾が欲しい!
しかし。
いくら元々食が細く、人間の食べ物すら欲しがらないロンだとしても、これほどまで食べる物が狭くなったのは少なからず…いえ、大いに私の責任です。なにせ魔のモードに突入すると私は……
なんでもいいから食べ続ける物を早く見つけねば!
片っ端からドッグフードを購入。食べなければ即諦め、次の食事には違う物を出しています。新しい物を出しても快く食べ始めてくれるわけではないので、その次はまた新しいご飯を…。
…皆さんお分かりですよね。
この行動、しつけの面からするとダメダメです。
けれどロンは12才。おまけに、食べたくない物を出し続けるとお皿を見ただけで震え出す繊細な心の持ち主。なので私は、この先の時間を元気に過ごしてもらうことの方が重要と考えました。とにかく食べてくれる物を見つけたい!
…というのも、痩せ続けていた時に獣医さんから「シニア犬が食べずに痩せ続けるのは危険です。なんでもいいから、身になりそうな物を食べさせて」と言われたのです。身になりそうなもの=エネルギーになりそうな物。
もし今ワンちゃんが食べずに痩せ続けてしまっている状態なら、ドッグフードというカテゴリーにとらわれず、少し視野を広げてみてはどうでしょうか。何か手作りしてあげると安心安全でより良いかもしれません。その際はくれぐれも「犬が食べてはいけない物」にだけはご注意を!特に玉ねぎ・ニラ類のネギ属性やチョコレート、塩分の多い調味料等は必ず避けるようにしてください。
「出来ることは何でもしてあげたいの!」
ワンちゃんのご飯でお困りの皆さんは、きっとそんな思いをお持ちのはずですよね。そこで次のテーマ!
考えられる、
一般的に食べなくなる原因
よく言われている『食べなくなる原因』をおおまかに3つ挙げてみました。
私の心労を元にした厄介度順です。思い当たるものがあれば、それに応じた接し方をすると食べるキッカケになるかもしれません。なお今回取り上げているのは「今まで食べていた物を食べなくなる原因」。“新たに食べさせようとした物”には当てはまらないと思います。
食欲よりも疲労が勝っている時。
ワンちゃんはおそらく「とにかく寝たい!」と思っているはずです。直前に散歩やトリミングなどをしていませんか?疲れが原因の場合、時間を空けると食べてくれます。
でも爆走したわけじゃないし…
いつものトリミングメニューだし…
たとえそうであっても、日々の行動に一寸の違いもない行動など存在しません。私たちでは気付けない些細な違いに、今日のワンちゃんは少しドキドキしたのかも。夏場なら疲労度も増しますし、脂肪を減らそうとする本能もあるそうです。シニア期に突入しているワンちゃんの場合は、季節を問わず疲れ具合にムラが。何か行動した後なら、数時間ゆっくりしてからご飯をあげましょう!
ポイント:無理に食べさせない
ここでグイグイ食べさせようとすると、そのご飯自体を嫌いになるキッカケになってしまいます。ああ恐ろしい…!一度匂いを嗅がせても食べない場合は、ひとまず5分ほどお皿を放置。距離を取ると食べ始めることもあります。それでも食べなかった時はお皿を下げて、気持ちをリセット。ワンちゃんがしばらく眠った後に改めて出し、匂いを嗅がせてみましょう。もしそれでも食べなかったり、いつもの就寝時間が迫っていて…
今食べないと、うちの子このまま朝まで寝ちゃう!
と不安な方。
大丈夫!ご飯は、たとえハイシニアであっても一日くらい食べなくて平気です!今日ご飯を食べなかったら明日ガリガリになる…そんなわけがありません。日々の積み重ねでガリガリになるのです。だから無理に食べさせるくらいなら今日はパスさせてあげましょう。今はワンちゃんにとって、ゆっくりする時間が必要な時です。
うちのロンの場合
散歩から18:30p.m.頃に帰宅。その後すぐ夜ご飯を出しましたが、休憩中の寝床から出てくる気配はありません。お皿を近づけても匂いを嗅ぐだけで無視。3時間後に起きた際も匂いを嗅ぐだけで通り過ぎてしまいました。けれど好きそうな具材だけをチョイスして再び出してみると、なんと…食べるじゃないか!ということでその日は食べる具材だけを食べさせて終了。翌朝からはいつも通りご飯を食べてくれました。
我慢の限界が来たようです。
ワンちゃんはおそらく今のご飯に不満を持っています。「もっと美味しい物が食べたい!」、そう思っているはず。もしかして最近、普段と違う食べ物を与えましたか?そうじゃないなら、ご飯に飽きたという可能性も。よく「犬は飽きない」と聞きますが、そうとは限りませんよね。犬の傾向として飽きない体質の子が多いだけであって、飽きっぽいワンちゃんだって必ずいるはず。日本人が全員お米好きとは限らないことと同じ。統計的に多いだけの話です。…まぁ私は統計通りの白米大好き人間ですが、飽きることも個性の一つだと思います。
けれども!
ポイント:すぐにご飯を替えない
飽きちゃったか~、じゃあ変えよう!
と早まってはいけません!
もしこれまで1つの(1種の)ご飯だけを食べ続けてきたワンちゃんなら、おそらく目新しいご飯を出せばすぐに食べてくれることでしょう。ですがすぐに「食べないから新商品だぞ☆」と切り替えてしまうと、この先、同じようなことがある度にご飯を替えなければならなくなります。…そう、私のように!
でも今までのご飯だと全く食べないし…
「食べない」と訴えているワンちゃんは数日ストライキします。すごく心配ですよね。それでも、若くて健康なワンちゃんなら3~4日程度、ある程度に健康なシニア・ハイシニアのワンちゃんなら2日~3日程度は様子を見た方が賢明です。
ここからは私の経験則ですが…
ワンちゃんには個々に「好みの匂い・味」からなる『食べたい(食べてもいい)ボーダーライン』が存在しているように思います。1種類の味しか知らないワンちゃんはボーダーラインも低め。だから他の何を食べても美味しく感じる可能性は高くなります。
けれどこれまでたくさんの美味しい匂い・味を知ってきたワンちゃんは、ボーダーライン自体が高め設定に。なので、新商品であろうと自分のボーダーラインに達しない限りは食べないようになっているのではないかと見ています。
そしてこの高め設定のボーダーラインを維持したままシニア・ハイシニア期に突入すると、より妥協しないワンちゃんに成長!年を重ねるほどガンコになるというアレです。好き嫌いにも磨きがかかり、意思もより強くなるのです。
つまり、『食べたい(食べてもいい)ボーダーライン』が高いワンちゃんは新しい物すら食べてくれるか分からない狭き門というわけです。「ガンコ者め~☆」と頬をツンツンできる余裕があるうちは良し。けれどこのご飯関連の悩みは、本当に頭を抱えます。
ならない!切り替えまくるぜ!
と言う方。
きっとそれが今の愛犬に必要だと思っての行動ですよね。しかし商品に限界があることだけは忘れないでください。アレもダメ、コレもダメ…と替えていると、いずれ目新しいご飯すら出せなくなる日が来るのです。そして完全手作り食の世界へ足を踏み入れることに…。そう、私のように!!
完全手作り食は栄養バランスがとても重要な世界です。ワンちゃんは私たちが作るご飯だけで生きていくことになるので、よく計算して作らなければなりません。毎食準備するのも正直、手間。そんな大変なことをまだまだ若いワンちゃんに始めると、この先、十数年と続けなければならなくなるかもしれません。もちろん「一度手作りを始めたら、絶対一生手作り食」なんて決まりはなく、途中で市販のドッグフードに戻せる(食べてくれる)ワンちゃんもいますし、手作り半分ドッグフード半分な食生活のワンちゃんもいますが…。
何にせよ、食のボーダーラインは容易に引き上げない方が良いという話です。我が家が良い例…いや、悪い例です。
あなたのワンちゃんは、飽きっぽくても若くて健康体ですか?それならぜひ顔色を見ながら一緒に耐えてみてください。「お腹減ったよぉ…」と見つめてきたなら時間の問題!きっとすぐに食べ始めてくれますよ。
もし我慢の日数に関わらず、どことなく日に日に元気がなくなっているように見えた場合は即病院へ。特にシニア・ハイシニアのワンちゃんは要観察です。待てば必ず結果が出るという考えは厳禁です。実は体内で病気が悪さしていた…なんてこともあるので、あらゆる可能性も含めて積極的に検査してもらいましょう。決して無駄な行動ではありませんよ。言葉を話せないワンちゃんだからこそ、先手先手の行動です。「病院から帰ってきたらなぜか食べ始めた!」なんて嬉しいお土産を持って帰れる場合もあります。
うちのロンの場合
食のボーダーラインを上げまくった12才なので、目新しい物でもなかなか食べてくれません。数多の総合栄養食を試しましたが、未だにロンが気に入る(定着する)ものはナシ。一般食ですら大好物と呼べる物に出会えていません。そのため我が家では2020年から完全手作り食に切り替えました。まずは試作品を作り、食べてくれたらしばらくそれを続けるという激甘展開が通例となっています。
体で何かしらの変化が起きているのかもしれません。
ワンちゃんの食欲低下の原因として「ご飯を食べられないくらい体調が悪い」というのは有名な話。実際、ワンちゃんは「体の中が何か変…」と感じている時はご飯を控えるとのこと。たとえば胸焼けであったり、お腹が張っていたり。
ここ最近、ワンちゃんのオシッコの色はどうですか?便は健康的でしょうか。水を飲む量が極端に増えたり、減ったりしていませんか?もし1つでも引っかかることがあったなら、念の為に診察してもらいましょう。
ポイント:食欲以外の異変
犬というのは、どんなに体調が悪くても吠えるそうです。
なので「吠えるから元気」「食べないのはただのワガママ」と楽観的に捉えるのは誤り。病気だからグッタリするとは限らないのです。普段のワンちゃんを知っているアナタだからこそ気付く些細な異変、ありませんか?少しでもおかしいなと思う点があるなら、自信を持ってその異変を病院で伝えましょう。そうすることで獣医さんが様々な可能性を思案し、検査してくれます。
言わなくても気付いてよ!
と言いたくなる気持ちは分かります。でも獣医さんも人間。完璧ではありません。あなたの情報とワンちゃんの状態・血液、そして獣医さんの知識が合わさって初めて病気は判明するのです。食欲がなくなった時は食欲以外の点もよく思い返して観察しましょう。あなたの気付いた些細な異変が、ワンちゃんを助ける鍵となるのです。
うちのロンの場合
食欲がなくなった時に病院へ行くと、大体は少し腎臓の数値が悪くなっていました。食べないせいで数値が悪化している可能性もあると思いますが、やはり腎臓の数値が上がっている時は胸焼けのような感覚になり、食欲が落ちていることも多いそう。と言っても当時そこまで腎臓が悪いわけではありません。大体は元々食に欲がないのとワガママがミルフィーユされて魔のモードを発動していたのだと思っています。
大丈夫?
断食は何日まで平気か
「1週間は平気」
「2・3日食べないなら病院へ行った方がいい」
インターネット上でも見解は様々です。「平気」、つまりは「死なない」という解釈だとすると1週間は平気なのかもしれません。けれど若くて健康なワンちゃんなら3~4日程度(5日目の朝には必ず病院へ行く)、ある程度健康なシニア・ハイシニアのワンちゃんなら2日~3日程度(4日目の朝には必ず病院へ行く)くらいが妥当だと私は思います。もう半日くらい早くてもいいかもしれません。それ以上になると、たとえ死に直結しないとしても気掛かりが多すぎます。
もしかしたらこれを機に体調が悪くなるかも…
実は病気だった場合は手遅れになるかも!?
単に食欲の話とはいえ、何も訴えないのをいいことに放ったらかしにするのは心配です。もし病院へ行って「至って健康!」とお墨付きを貰ったのなら、またワンちゃんのストライキに付き合えばいいだけの話。闇雲に待つのは誰のためにもなりません。ワンちゃんの様子を見ながら、病院へ行くべきタイミングを判断しましょう。
もし今「病院に行った方がいいのかな…」と悩んでいるのなら断言します。行くべきです!悩むだけ気掛かりなことがあるのですから、診てもらって損はありません。「早く病院へ行っておけば良かった」と後悔する前に、ぜひ!
そんなこんなで心底厄介な魔のモード。
次回は食べない期間にもたくさん出してきた数多のドッグフードについて、レビュー形式でご紹介しようと思います!
ご覧いただきありがとうございました