血小板減少症の…
 発見から5日目まで

にいどめ

我が家の王様ロン(12才)は口の中を触られるのが大嫌い!
10才の時に歯石除去手術をしましたが、ウェットフードや最近の手作り食で歯石は溜まりに溜まっています。気になるので、たま~に濡れタオルで拭くのですが、歯の表面を爪で削ろうものなら「オエッ!」と謎の嗚咽。まぁこれは昔からなので問題ありません。…が、いつもと少し違う点に気付きました。

にいどめ

あれ?これは…何だ?

異変を発見した日から、「免疫介在性血小板減少症(IMT)」で連続通院した5日目までをご紹介します。なお、免疫介在性血小板減少症の基本情報やロンについては下記の記事をご覧ください。

ロンってどんな犬?

免疫介在性血小板減少症?
症状や前兆は?…etc

ちなみにロンは今現在、薬を続けながらも元気です!

病状と処置内容の注意


Day 1.

異変に気付く

普段通りに夜ご飯を食べた後、まったりしているロンの歯を何気なく拭きました。「最近拭いてないから拭いておくか」程度の考えで。歯石がたくさん付着しているので、大体は拭いた後にタオルを見ると黄色っぽいものが付いています。しかしその日は…
犬の歯から出血したものが付いたタオル

…あれ?なんだかいつもより茶色い?
下の前歯です。「もしかして血?」と思いつつ、同じ個所をもう一度拭いてみました。すると2度目はいつもの黄色っぽい汚れのみ。上の前歯も拭きます。黄色っぽい汚れのみ。これは夜ご飯が付いていたんだな、と判断しました。でも過去にご飯が付着していたことなんて一度もないので、なんとなくモヤモヤ…。

さらにいつもの流れで耳の穴を拭きました。こちらはおおよそ2日に1度の間隔で拭いていて、嫌がることなく気持ち良さそうにしています。「うんうん、今日も綺麗な耳!」と思いながら拭いていると、耳の内側に0.5mmくらいの赤い点が。珍しいな…デキモノ?不思議に思いながらも耳掃除を終えました。血便や血尿など、体調に変化はありません。

体調変化:なし 血便:なし 血尿:なし
Day 2.

異変から確信

昨夜のことがあったので、翌日の夜も歯を拭きます。あまり連日拭くようなことはありません。些細なストレスが続くと、てんかん発作に繋がってしまうので…。デリケートな王様ワンコです。
少しドキドキしながら、今夜も濡れタオルで下の歯をなぞりました。すると薄いながらも昨夜と似た茶色いっぽいものが。今日もか…。もう一度拭くと、どことなくまだ茶色っぽい気がします。上の前歯も拭きました。…あれ!?むしろ下の歯の時より茶色っぽい!?こ、これは…っ!!

にいどめ

血だァァ!歯周病キタァァァ!!

唇をめくって歯を確認しました。この行為はめちゃくちゃ嫌がり、くしゃみを連発。それでもどうにか確認したところ、歯石がとんでもないのはもちろん、歯と歯の間に何やら濃い血のようなものが見えました。だいぶ進んでるなぁ…。「歯周病で頬が溶けた」なんて恐ろしい話もありますし、明日病院へ行くことにしました。

さらに昨夜と同じ流れで耳の穴も見ます。
…あれれ。昨日は片方の耳にしかなかった赤い点が両耳に出来てるじゃないか…。いくら耳の中が蒸れるとはいえ、かなり清潔にしているのに……モヤモヤ。

ちなみに病院へ行くのは5日ぶり。5日前に2ヵ月に一度の定期健診で腎臓数値を見てもらったところでした。

体調変化:なし 血便:なし 血尿:なし
Day 3.

念のため病院へ行った夜

5日ぶりの病院へ行き、歯の出血を伝えて診てもらったところ、やはり「歯周炎」と診断されました。自然に歯がポロっと抜ければ手術せずに済むそうですが、ミニチュアダックスは比較的歯が強いらしく、ロンの歯もまだまだ抜けそうにありません。ひとまず1週間薬を飲み、血が治まるのを待って、腎臓の数値が良ければ手術の日程を決めましょうという話になりました。

小さな小さな薬を2つ貰って帰った日の夜、病院に行って気疲れしたロンは爆睡。そんな時、不気味なものを見つけます。
犬の血小板減少症における打ち身のような赤い痣1

…なんだこれ。
1cmくらいの赤紫色のアザです。パッと見たところ1つしかありません(その右下にある黒い点はオッパイです)。軽く押してみたところ、シコリにはなっていない様子。…少しホッとしました。しかし見れば見るほ不気味なアザ。打ち身のようですが、どこかに打ち付けたような記憶はありません。これだけ濃く出るには、かなり強く打ち付けないと出ないはずなのに……ああっ気持ち悪い!

ここでインターネットの力を借りました。
いつもはあまり病気のことを調べないようにしています。落ち込んで不安になる文言ばかりなので…。けれど今回はあまりに気持ちの悪いアザ。調べるしかない!そしてそこで初めて知ったのが、「免疫介在性血小板減少症(IMT)」という病気だったのです。
目に見える症状として、皮膚の薄い場所に打ち身のような赤紫色のアザ(紫斑)が出る、進行が速い病気で悪くなると輸血が必要になる、おまけに「歯茎からの出血」も症状の一つとして挙がっています。

にいどめ

マジか…

調べれば調べるほど動悸は激しくなる一方…。まだこの病気だと決まったわけではないと思いながらも、闘病中のワンちゃんのブログもいくつか拝見しました。「歯周病と間違われなくてよかった」と記述されているのを見て(その方は既に紫斑が出ていたので、病院で歯の出血と共に診てもらったそうです)、

にいどめ

まさにロンじゃないか…!

明日の朝一、病院へ行くことを決めました。
昨日の今日だけど、そんなことを気にしている場合ではないようです。当時闘病中のワンちゃんのブログには、「時間との闘い」「一刻も早く病院へ」という言葉もありました。猶予はない、そう発信してくれたことに本当に感謝しています。

今も元気に闘病しているワンちゃん、残念ながら虹の橋を渡ってしまったワンちゃん、教えてくれてありがとう。みんなのおかげで、異変に対して迅速な行動が出来ました。この場を借りて御礼申し上げます。

体調変化:なし 血便:なし 血尿:なし
Day 4.

再び病院へ

再び病院へ行き、診察してもらいました。
お腹のアザを見せたところ、「あ~…う~ん…」という感じに。まず獣医さんの予想として、「血小板が減少しているかもしれません」と告げられました。やっぱりか…。採血し、血液検査してもらうと、健康なワンちゃんなら血小板(単位省略)20~50あるところ、なんとロンは0.1実際に顕微鏡で見せてもらいましたが、通常探さなくてもワ~っとある血小板が、探さなければ見つからない状態です。

医者

これだけ血小板がなければ、おそらく僕が採血した痕もアザになります

実際、3分ほど話しているだけで紫色に…。血小板って大事だ!
そしてこの時、血小板の数値と同じく重要だった項目が、「赤血球数」と「血球容積です。血小板と共にこちらが下がっていると、免疫介在性血小板減少症の疑いだけでなく、「免疫介在性溶血性貧血(IMHA)」という病気も疑わなければならなくなるそうです。むしろ、後者に隠れて前者が発症していたなんてことも…。

幸いにもロンの数値は正常で、血便・血尿もなし。
体内における炎症反応も出ていない(出ていたら腫瘍や癌などを疑います)ことから、血小板に焦点を当て、増やしていけるような薬を処方してらうことになりました。薬は「プレドニゾロン錠」と「プレドニン錠」をほぼほぼ最大量。これで血小板が増えなければ過酷なステージに進んでしまうらしいです…。腫瘍を疑ったり、脊髄の検査となるため全身麻酔、必要があれば輸血になるとお話しがありました。薬で血小板が増えるかどうかは個体差があり、増やせない子は薬を投与しても全く増えないとのこと。ワンちゃんの体質次第ということなので、こればかりはもう祈るしかありません…。

医者

今は血小板が限りなく0に近い状態なので、飛び跳ねたり打ち付けたりしないよう気を付けてくださいね

その日は薬を注射してもらい、ひとまず1週間分の錠剤をもらって帰りました。日曜を挟むと心配なので、4日後に再診察予定です。慎重に慎重に…と帰っても、夜にはアザ(紫斑)が増えていました。
犬の血小板減少症における打ち身のような赤い痣2

注射痕以外でこれだけ増えています。
それでも本人は至って普通。連日の病院で疲れている感はあるものの、元気に吠えるしご飯も食べました。いつもの時間頃にウンチもします。……が、

にいどめ

きた…っ、血便!

真っ黒な便と、僅かにゼリー状の血液が出ました。
「ああどうしよう…っ、心配心配心配!でも今日薬を投与してもらったから、もしかしたらお腹の中にあった血液が押し出されたのかも!?いやそもそも血便が出ていない状態で処方してもらった薬で大丈夫なのか!?他の薬に切り替えないとダメじゃないのか!?」
…と、平然と眠るロンの隣でパニックに。動物病院へ相談したくても21:00 p.mで閉まっています。体調に変化はないようなので、明日の朝まで待つことになりました。

ちなみに、両耳に出来ていた赤い点はまだあります。そしてそれが上の写真の*印と非常によく似ていることに気付きました。つまり、お腹に紫斑が出る前から耳の内側(皮膚)に出血が起きていたのかと…。ロンくん……。

体調変化:なし 血便:あり 血尿:なし
Q. 黒い便(黒色便・タール便)ってどんなの?

よく、犬の便について「黒い便は血液が混じっています」や「タール便が出たら病院へ!」なんて記述を見るのですが、「一体どんな便が黒い便なんだろう」と思ったことはありませんか?食べ物次第で便の色は変わるそうですし、肉類が多ければ黒っぽくなると聞きます。ロンは手作り食なので、どことなく普段から黒っぽいですし、

にいどめ

危険な便ってどんな便なんだ!?

と、ずっと思っていました。
そこで実際にロンのタール便とゼリー状の血液を見ていただこうと思います。「わぁステキ☆」という写真ではないので、見たくない方はダーッとスクロールして飛ばしてください。

まず「タール便」について。
前述の通り「血の混じった便(血便)」のことです。体内で出血が起きている状態を示すので、もし目撃したら早急に病院で検査してもらうことをお勧めします。色は。焦げ茶要素なんてゼロで、どちらかという緑寄りの黒に感じました。ロンのタール便を見た時に思わず「黒っ!」と呟いてしまうくらいです。

そんな黒い便、タール便は形も少し変(スルッとしていない)なのですが、何より感触が独特でした。ティッシュ越しに縦横ブニブニ触っても全く潰れない。ムニ~ッと指の跡が付くだけです。ウンチの中身を確認しようと横に押しても伸びないし、ならばと縦に伸ばしても割けません(素手で触る勇気はなかったので、全てティッシュ越しですが)。とにかく潰れないのです。ちょっとしたグミのように。

にいどめ

これがタール便というやつか…?

感触が気持ち悪くて何度となく押しました。するとティッシュにゼリー状の血液が付着。ウンチの周りに付いていたようです。その時の写真がこちら↓
犬のタール便(黒色便)

赤い血はこの時だけでしたが、この血のおかげで「血便だ!!」と思えました。なお、ゼリー状の赤い血が付着していなくてもタール便はタール便です。今回の写真は分かりやすいくらいにウンチ全体が黒いタール便ですが、一部が黒い(血液が混じっている)場合もありますロンもこの日からしばらく、一部が黒い便が続きます。

黒くてブニブニした妙な感触のウンチを目にした時は、ぜひ病院へ行きましょう。そして出来ればウンチを持って行き、獣医さんに見てもらってください。口で説明するより、物を見てもらう方が確実です。

Day 4.

再び病院へ

タール便が出た翌朝、動物病院に電話。
「一度エコーでお腹の中を見たいのでお越しください」とのことだったので病院へ行きました。さすがに3日も連続して通院していると、ロンも若干慣れたのか若干静かです。あくまで「若干」。
エコーは、そっと優しく前足を掴み、そ~っと二足歩行状態にしてお腹に当てます。体内で出血している箇所はあるか、血が溜まっている箇所はないかを確認するそうです。心臓や胃の辺り、腸、膀胱と診てもらいました。

医者

うん、出血箇所はありませんね

よかったァァ!!
血便はおそらく腸辺りの消化管出血が原因となっているのだろういうお話でした。血小板の薬は昨日処方してもらった物で構わないということだったので、新たに消化管出血を抑えるための薬をもらって帰宅。夜、お腹を確認すると…
犬の血小板減少症における打ち身のような赤い痣3

一番小さかった紫斑が消えている!…毛があるから見えていないだけかもしれませんが。

体調変化:なし 血便:あり(昨日ほどではない) 血尿:なし

…という感じで、前兆2日・連続通院3日が終了。
本当に目まぐるしい日々でした…。ロンはこの日から薬を飲み、紫斑の状況を日々確認しつつ、約4日置きに通院して血小板の数を見ていきます。もちろんこの翌日、6日目以降の症状も紹介していきます!


ご覧いただきありがとうございました