シナリオコンクールの具体例と書き方③

にいどめ

シナリオコンクールの具体例と書き方、第三弾。
シナリオを書いたことがない人向けに、シナリオコンクールに出す「シナリオの書き方」をお届けしています。

今回は、ストーリーやキャラの考え方を中心にお話しします。




ストーリーは…

どこから考える?

シナリオコンクールは、僅かながらシチュエーションとキャラ設定が決められています。

たとえば前々回の話で挙げた例…

登場人物
ヒロイン IT企業の総務部に務める23歳
カレ 同じ会社の3歳年上の先輩、もしくは上司
シチュエーション
年上カレとのオフィスラブ

このように決められていても、ストーリーにするにはもっと具体的にしなければなりませんよね。

では先に具体的にするのは、登場人物か、それとも物語の流れか…。

結論から言うと、
どちらからでも構いません。

私の場合、登場人物を明確にしてから物語を考える方が順序よく感じたのですが、意外に進みが悪く…。物語の軸を考えながら、並行してキャラを作り上げました。

「これを考えないと次に進めない!」と一点集中するのではなく、進みが悪いと感じたら別の事柄を考えるようにしてください。

時間は限られています。
出来るだけ効率よくこなしていきましょう。

登場人物って二人だけじゃないとダメ?

いいえ。
むしろ二人だけで繰り広げる展開は世界が狭くなりがちで、興味深い内容にすることが非常に難しくなります。

ただし、サブキャラの多すぎ&出しすぎは厳禁。サブキャラとして、出番や役目を考えて登場させてください。

色々注意!

キャラの考え方

登場させる人物で考えなければいけないところは、主に性格や口調
この部分がブレると、ユーザー(ここでは審査員)が混乱します。

もちろんキャラの成長を表現したいのであれば問題ありません。
が、わかりづらくなりそうなら、はじめからそのような展開は避けることをお勧めします。

途中で「やっぱりやめよう」となると、それまで書いた展開やキャラの行動、セリフ等を全て見直し、修正しなければならなくなります

では具体的にどう作り上げるのか。
あくまで私の考えですが、注意点と共にご紹介します。

ヒロインを作り上げる時

無難な人に仕上げること。
ストーリーの主役ではありますが、特殊な個性はいりません

ヒロインの個性が強すぎると、「共感できないストーリーだな…」と遠ざけられてしまう可能性が高いからです。

容姿を決める必要性も感じません。
ストーリー中でヒロインの容姿に触れるような展開は極力控え、物語を進行させるようにしてください。

カレを作り上げる時

性格や口調は必ず決めること。

容姿は、髪や身長、イケメン具合くらいで十分です。
「二重まぶたで~鼻は高くて~」と詳細に決めなくても、自分の頭の中で動かせるならそれでいいのです。

それすらもなかなか思い浮かばない人は、アニメや漫画のキャラをベースに考えてみてください。

しかし!
ここで注意してほしいのは、あくまでも似た人物にすること。

頭の中で使用するだけなので、そのものをイメージしても問題ない…と思いがちですが、不利に働く可能性があります。

もし既存キャラをそのままイメージして書くと、

いるよねー、こういうキャラ。っていうか、そのキャラじゃない?

オリジナルで書いてもらわないと困るな~

なんてことになり、ストーリーに魅力があっても減点対象となり兼ねません。
バレないと思っていても、ある程度はアニメ界・ゲーム界を精通している方々が審査するので、油断は禁物。

特に口調は気をつけて書いてください。

簡単にオリジナルキャラを作る方法

ずばり、既存キャラと既存キャラの特徴を足すという方法です。

ポイントは、良いところだけを抽出しないこと。
少しくらい欠点がないと、出来すぎたキャラ=つまらないキャラになってしまいます。

ぜひ「良いところ」と「クセのあるところ」を足して思い描き、ストーリーで活躍させてください。

想像を繋げる

物語の考え方は5工程

オリジナルを書いたことがない人にとって、新しい世界観を生み出すことは一苦労です。どう考え始めればいいのか分からない人も少なくありません。

そういった場合、基本とする考え方さえ掴めば、ひとまず一歩踏み出すことが出来ます。

シナリオライターを目指している人は、指定条件から新しい展開を考えるという流れが必須となりますので、「自分で展開を考えるのは苦手だな」と思っているなら今のうちに慣れておきましょう!

では物語を固めるまでの5工程をご紹介します。

1.メインとされている場所を思い浮かべる

序盤に挙げた例で言えば「オフィス」ですね。

2.そこで胸キュンする展開を思い浮かべる

自分なら、こうなると胸キュンだな~と思うシーンを思い浮かべてください。現実に起こり得ない展開でも、絶対に無理でないならOKです。

絶対に無理だからNGな例:
ヒロインが3階から転落。それに気付いたカレが1階でお姫様抱っこキャッチ

…これ、おそらく腕を伸ばすことすら危険です。
奇跡的にヒロインを抱えたとしても、腕に加わる重量を考えると、カレの腕は少なからず外れるか折れます。胸に七つの傷があるような人なら可能かもしれませんが、そんな人は滅多にいないのでNG。

3.胸キュン展開に必要な過程を思い浮かべる

胸キュンシーンを展開するにはどのような流れが必要か、それに至るまでの時間を考えます。

たとえば、胸キュンシーンを「エレベーター内の壁ドン」とした場合

まずエレベーター内でなぜ壁ドンすることになったのかを考えます。いくつか思いつきますよね。ではその思いついた事柄は、なぜ起きたのでしょうか。それが起きる前には何があったのでしょう。

…という具合に、1つのシーンから展開を広げていくのです。

このように、ある事柄が起こる過程をどんどん考えて細分化し、繋げていくことによって、自分はどういったものを書こうとしているのかが見えてくるようになります。

4.山場を作る

書こうとしている内容が見えたら、次は物語で最もヒロインにとって過酷な展開(山場)を作ります。サブキャラに頼らず、積極的にカレも絡めてください。

胸キュンシーンは山場を越えるための材料となるので、上の図で言うところの「なぜ2きりに?」の部分で作ることになります。

5.ここまでの内容に起承転結を作る

山場を作り終えたら、次はこれまで思い浮かべた内容を起承転結に分けましょう。

物語は起承転結で構成されているからという理由だけでなく、起承転結があるかどうかも見られているためです。

ここで言う起承転結のイメージは以下の通り。

:審査員にヒロインの環境や立場を把握させる
:山場の前兆。少し胸騒ぎする内容
:山場。問題が起こり、解決に翻弄する
:胸キュンシーン。問題は解決、ハッピーエンドへ

上記では胸キュンシーンを【結】としてますが【転】でも良し!
【起】や【承】で使われることはほとんどありません。

分けることが出来れば、簡易版のプロットの完成です。このプロットを元にストーリーを書き上げてください。

え、でも中身がスカスカなんだけど…

大丈夫、はじめから細かく考える必要はありません。
「起承転結の承が浮かばない…!」など、一部の展開が思いつかないこともあるかと思います。

そういう場合、「思いつくまで書かない」のではなく、ぜひ「思いつくところまで書いて」ください。

もちろんプロットの段階で細部まで書けるならそれに越したことはないのですが、書いている内に「ここはオフィスじゃなくてもいいな」「こっちの方がもっと盛り上がる展開になるかも」と閃き、変更することは多々あります。

このシナリオのプロットはあくまで物語の軸
自分の好きなように構成できるものなので、「こう書かなければいけない!」と窮屈な思いをせず、時には閃きから展開を派生させ、面白いストーリーに仕上げてください。

ちなみに…

ここで例として挙げている内容は「オフィスラブをテーマに公募」ですが、「オフィスで全ての展開を済ませなさい」という意味で公募しているわけではありません。マンネリな流れにならないよう、オフィス以外のシーンも盛り込んで物語を考えてください。

二次創作経験者は注意

二次創作で漫画を描いている方、もしくは小説を書いている方。
普段アナタが尊敬している原作の雰囲気が、知らぬ間にシナリオへ出てしまっているかもしれません。

私はシナリオライターになった直後の調整期間(トライアル)で、シナリオを添削した担当者から「セリフの掛け合いが○○っぽいですね」とズバリ原作名を挙げられて驚いたことがあります。

おそらく癖になっているので、どのあたりが似ているのか自分で見極めるのは難しいかもしれませんが、普段の書き方をしないよう最大限に意識して取り組んでください。

秘技!

書き方が掴めない時の裏技

書き方を理解しても、いざ始めると「え?あれ?こういう感じを書きたい時はどうするんだろう…」と困惑することがあります。

そういう時は、コンクールを応募しようと考えている企業のアプリをプレイしてみてください。

課金する必要はありません。
無料プレイ(分岐ルートまでの内容)でも、雰囲気や書き方を知ることは出来ます。

無料なら様々なアプリを見れますよね。
どんな表現を好んで配信している企業か把握できますし、得るものはかなり多いはずです。

カンニング気分ですが、使えるものは何でも使いましょう!

「前にプレイ済みだから」という場合も、ぜひ再プレイしください。
以前とは違う目線でプレイすることによって、必ず見えるものがありますよ。

ただし、くれぐれも最後までプレイしないように。時間がもったいないです。

…というわけで。

以上が3回に渡ってお届けした「シナリオコンクールの具体例と書き方」でした。

まだ少し余裕があるという方は、主語や助詞などを意識したもうワンランク上の書き方をしてみてはどうでしょうか。
審査結果に大きく左右する箇所ではないかもしれませんが、シナリオライターを目指すなら意識して取り組んでも損はありませんよ。

具体的な内容に関しては、後日掲載しようと思います。

では次回は「社内コンペの概要とその後」についてお話しします!




ご覧いただきありがとうございました!