就きたい職業があれば、「お金じゃないの!なれればいいの!」と思いませんか?もちろん「ずっと安くてもいい」なんて神々しい発言ではなく、入れるならどんな入り口だって構わないという気持ちで。
働くからには収入面が気になるところですよね。
今回は「収入が安定しない」という内容を、少しだけ掘り下げます。
当然、業務委託契約ではなく、雇用契約を締結しているシナリオライターであれば、報酬が安定しないなんてことはありませんよ。
シナリオライターの収入は…
- Q1. どうやって決まるの?
Q1.
収入はどうやって決まるの?
受注した依頼をいくつ納品したかで決まります。
ここで言う“納品”は、指定期日までにシナリオを書いて送信した=納品ではなく、
指定期日までにシナリオを書いて送信→担当者による確認を経てOKが出る→納品です。
この一連の流れで「依頼を終えた」ということになり、その月の報酬に反映されます。
Q2.
報酬額に差がある理由は?
一ヵ月に納品した総文字数の違いです。
依頼は「これを何円で書いてください」と言われるわけではなく、「1話○○○○文字で○話分を書いてください」とお願いされます。
事前に「あなたは何文字で何円です」と決められた単価があるので、依頼された文字数と単価を計算し、1件分の報酬額が提示されるといった具合です。
単価額の具体的な数字は詳しくお話できませんが、なにせ単価。全くもって大きい数字ではありません。
ちなみに昇給する際は、この単価が変動の対象となります。
ではここまでの話をふまえ、前回の記事に書いた私の収入額と照らし合わせてみましょう。
- 最低収入額 2万弱/月
- 最高収入額 20万弱/月
- 平均収入額 7万前後/月
これは1つのアプリでのみ依頼を引き受けていた収入例です。
担当者に「毎月○○円は欲しいのでお仕事ありませんか?」と頼んだことはなく、依頼された仕事のみをこなして得た収入額となります。

最低でも1件2万円の仕事なんてステキ!
とスケールの大きさに胸がトキめいた方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながらそうでもありません。
上でお話しした通り、報酬額は単価計算です。
2万弱の報酬をもらうには、それ相応の文字数を書かなければなりません。
20万弱となれば、それはもう数えきれないほど恐ろしい文字数を書くということなのです。
大体は「1話5000文字で3~5話分」というケースが多いです。原稿用紙だと38枚~63枚分。
…枚数にするとすごい量ですね。これを約1週間で書き上げます。
さらに言うと、1ヵ月の収入=1件分というわけではありません。
大体は2~5件を引き受けて合計した額が1ヵ月の報酬となります。
締め日間近に納品したり、またいで依頼を受ける場合もありますので、今月分の一部が来月の報酬額と合算される、なんてことも。
この“報酬に直結する文字数”。
実は引き受ける依頼の種類によって大きな違いが出ます。
「1話○○○○文字で○話分書いてください」と舞い込む依頼ですが、ストーリーをどのような時に配信するかで大体の話数が決まっています。
単発もの(1~8話分程度/1件)
主にイベント系シナリオで、3500~5500文字/話。
アプリ○周年やキャラの誕生日、バレンタイン・クリスマスなど季節感のあるものです。
まとめて複数のキャラクターを依頼されることが多いので、1~8話という幅広い数になっています。
短編もの(5~10話分程度/1件)
各キャラが主役のシナリオで、5000~6000文字/話。
メインストーリーの補完的内容が多いです。
本編で恋人関係になった場合、
続編で夫婦生活を開始するために、プロポーズや結婚などを短編で展開します。
長編もの(11~16話分程度/1件)
各キャラが主役のメインシナリオで、5000~6000文字/話。
本編や続編など、そのキャラクターを形作る重要なストーリーです。
どうですか?
恋愛ゲームアプリをプレイしたことがある方には、
どんなストーリーを指しているか想像がつきますよね。
ちなみに、都度変動するのは「○話分書いてください」という「○話分」の部分(話数)で、1話あたりの文字数は大半が5000字です。
この上記3種類を見て分かるように、最も高収入が見込めるのは一番文字数の多い長編。
実際、私の最高収入額には長編の報酬が含まれています。

じゃあ長編を引き受け続けたらずっと高収入?
その通り。高収入の近道です。
が、そううまくはいかないのです…。
続きは次回で詳しくお話しします。
ご覧いただきありがとうございました!