仕事の依頼はどんな流れで進む?

にいどめ

商業シナリオライターのお仕事は、企業から依頼されることで始まります。
この『依頼』については、これまでも何度か触れてきましたが、今回は依頼の受注から納品までの流れをより細かくご紹介していこうと思います。

なお、こちらで詳しく触れていないお金の話や依頼時の文字数については、過去の記事でどうぞ↓

シナリオライターの収入は…

どうやって決まる?
依頼1件につき何文字?…etc

併せてご覧くださいませ!




こんな感じ

受注~納品完了までの工程

依頼のメールから依頼を終えるまで、担当者との連絡は基本的に全てメールです。一連の流れを図にしてみました。

この流れをあえて電話連絡で希望する方もいらっしゃるそうですが、基本はメール。
ただし『プロット到着』や『執筆』段階で湧く疑問は、電話確認の方が早く解決します。

私は電話嫌いなので、何を聞くのもメール一筋!
でしたが、メールは後回しになりがちで、返信スピードは非常に遅いです。

「今すぐ!今すぐ答えが欲しいの!」なんて切羽詰まった状況はあまりないと思いますが、緊急時は電話連絡をお勧めします。

ちなみに電話する際は担当者個人に電話するのではなく、本社または部署で割り振られた番号にかけて取り次いでもらう流れとなりますよ。

Q1.

どのように依頼が来るの?

依頼は1ヶ月ごとに「○月分 お仕事のお願い」とメールが送信されてきます。

この時点で把握できるのは、依頼文字数・話数・ストーリーのタイトル・ストーリーのキャッチコピー・執筆するキャラ数のみ。事前にプロットを閲覧することは95%以上の確率で出来ません

どんな話を頼まれてるのか分かんないじゃん!

大体の雰囲気はキャッチコピーから想像してください。…結構ドキドキですよね。

キャッチコピーを見て、「書く自信がない…」と思ったなら断ることも可能です。まだ『お願い』として送られてきたメールなので、遠慮なく断って構いません。

くれぐれも、引き受けてから投げ出さないように!
納品が遅れたり、完成させることが出来ない等の状況に陥ると、多大な迷惑をかけます。

「書きたいけど日程が微妙だな…」という場合は、その旨を担当者に伝えてみましょう。配信日まで余裕があるなら、日程を見直してくれます。

というのも、この『依頼メール』。
送られてくるタイミングが非常に急なのです…。

…どうでしょうか。
依頼から執筆開始まで、非常に期間が短いですよね。

稀に1ヶ月前の段階で来月分を教えてくれる担当者もいましたが、ほとんどの場合このようなタイミングで舞い込みます。

ですので、たくさん依頼を引き受けたいと思っている方はどうしてもプライベートな予定が立てづらくなります。なにせ、いつ仕事が入るか分かりませんからね…。

今回は1件/月のみで紹介していますが、複数件/月ある場合は『依頼メール』に以降のスケジュールも記されています。書いている最中で新たな依頼が来ることもしばしば。

ならば早く1件目を書き上げて時間を作らねば!と考えてしまいますが、過去記事でもお話しした通り、心が疲弊するので無理は禁物です↓

執筆期間の過ごし方

どんな時間配分?
1日で何文字書ける?…etc

また、先程のスケジュール図にある『執筆期間』は、「このくらいの日程で書けるだろう」と担当者が想定している日数となります。日数が短い場合は遠慮なく伝え、調整してもらいましょう!

Q2.

依頼を受けるとどうなるの?

依頼を引き受けると、プロット到着日に合わせて資料が送られてきます。

ファイル形式は全てパワーポイント
パワーポイントを持っていない場合は、自身のPCで開ける形式を伝えると送り直してもらえますよ。ただし全ての形式に対応しているわけではないので一度確認を。
今は開くだけなら無料で開けるので、この辺りの心配はないかもしれませんね。

資料はプロットを筆頭に、ストーリーに関係する写真や情報、配信予定イラストが届きます。が、あくまで向こうの判断で添付される物。参考資料がない場合もあります。

では内訳を細かく見ていきましょう。

手元に届く資料
プロット

これから執筆するシナリオの内容が記されています。シナリオライターはこのプロットを見てストーリーを書き上げます。

プロット1つで依頼1つ分。
1話完結の場合、1つのプロットが1話分となります。
数話で完結する場合は、1つのプロットに数話分がまとめて記されているので………、とこちらについては次回詳しくお伝えします。

物語に関連する写真や参考情報

プロットに登場する物の写真・情報が載っています。これはプロット制作者が「必要かな」と思う箇所があった場合のみ。

と言っても残念ながらあまり執筆に役立つ内容はなく、調べれば容易に分かる程度の情報ばかりでした…。

配信予定イラスト

ストーリー中に表示するイラストや特典イラストです。プレイ経験者はご存知かと思いますが、恋愛ゲームではここぞという時にイラストが表示されます。

このイラストとストーリーを一致させるために、どのような構図でイラストが描かれているか事前に把握しておくのも重要な作業の一つ。

…ですが基本的にイラストは未完で、ラフ画(線画)があれば珍しいくらいです。ほとんどの場合は「こんなイラストを描いてください」とイラストレーターに送った資料と同じものが添付されています。

初回限定:各キャラ設定・世界観

初めての担当アプリを執筆する際は、『各キャラの設定』や『本編の世界観』を記した資料が届きます。イラストであったり、説明文であったり、様々です。

しかし設定資料から得た情報をそのまま書いて良いとは限りません

設定資料に書かれている内容はアプリ立ち上げ当時のもの。月日が経つと、ストーリー進行により少しずつキャラの性格や口調は変わります。私の経験上、キャラの現在を知りたいなら、自分が書くストーリーより一つ前、二つ前に配信したシナリオを読む方が確実でした。

こんな具合で、執筆時の資料は決して多くありません。重要なのはプロットで、設定以外の分からない部分は自分で調べて書き上げます。

もし設定に関して、「こういう資料も欲しいな」と思った時は担当者に問い合わせてください。資料があるなら、大抵の物は見ることが出来ます。

Q3.

どうやって納品完了するの?

まず書き上げたストーリーを自分で見直し、「完成!」と思えたら、担当者宛にシナリオを添付送信します。その際、3話以上(wordファイルが3つ以上)ある場合は極力圧縮フォルダで送信してくださいね。

提出したシナリオは、きちんと依頼した内容になっているか、誤字脱字はないか等を確認する『添削作業』に入ります。

この段階で「なんか違う…」という箇所があれば、再びシナリオは執筆者の手元に送り返され、修正→再提出する流れに。その際は新たに期限を設けられますので、再度提出後、OKが出ればようやく『納品完了』となります。

…さて。
ここまでの話で「え?」と疑問を持った方はいませんか?

全て終わった時が”納品”なら、担当者が添削する時間も踏まえて早めに提出しなきゃいけないってこと?

答えは、いいえです。

提出期限と納品日

本来は、納品日=完全に完成したシナリオを受け取る日という認識で間違いありません。ですが、担当者が伝えるのは納品日のみ。添削にどれくらいの時間を要するかを伝えられることもありません。

つまり、添削時間を予測できない=考えなくて良いということです。

納品日=シナリオ提出期限。

だからと言って期限日に合わせて執筆するのではなく、毎日着実に進めましょう。印象が良いのは、やはり早めの提出です。

Q4.

納品が完了したら何するの?

次の依頼なければ、あとは自由時間!
来月の依頼メールが来るまで、休むなり遊ぶなり趣味に没頭するなり、どうぞお好きなようにお過ごしください。

月末に近くなると、当月分の依頼を経理計上するための『手続き』を求められます。

こちらに関しては担当者から届くメールの指示に従って完了させれば良し。内容を確認して、自身の情報を入力するだけなので難しいことはありません。

……ということで!
これにて、依頼の受注から納品完了までの工程は終了です。
次回は『プロット』について、より具体的にどんなものか、どのように把握していくのかをご紹介しようと思います。




『プロット』を
より詳しく

ご覧いただきありがとうございました!